保育園帰り、玄関先で子どもが立ち止まった日
「犬、うちで飼えないかな……」
「たしかにかわいいけど…」
ペットショップのガラス越しにこういったやりとりをする親御さんも多いのではないでしょうか。
たしかにペットを飼うことは教育上もプラスのことが多いですね。
ですが、同時に頭をよぎるのは「家計は本当に大丈夫だろうか」という不安。
この記事を読んでいるあなたも、似たような場面に立たされたのではないでしょうか。
「飼いたい」という子どもの気持ちに応えたいのに、お金のことがわからなくて即答できない。
これはとても自然な反応です。
この不安の正体を分解すると、根っこには3つの原因があります。
1つ目は、費用の全体像を知らないこと。
「エサ代くらいでしょ?」と思う一方で、「病院代で何十万もかかった」という話も耳にして、どちらが本当かわからない状態です。
2つ目は、一時の感情で決めてしまうことへの恐れ。
子どもの「今」の願いと、10年以上続く「責任」とのギャップに、判断がつかなくなってしまいます。
3つ目は、予測できない出費への恐怖。
ペットには人間のような公的医療保険がなく、病気やケガの治療費が全額自己負担になることがあるという事実です。
この3つが絡み合って、「なんとなく不安だから」と話を先送りにしてしまう。
でもそれでは、子どもの気持ちにも、家計にも、誠実に向き合えていないかもしれません。
この記事を読むと、家族の「飼う・飼わない」判断に迷わなくなります
この記事を最後まで読んでいただくと、犬・猫を飼うために実際いくら必要なのかというお金の全体像と、後悔しないために我が家が実践した4つの準備ステップがわかります。
読み終える頃には、「なんとなく不安」だった気持ちが、「これなら家族で判断できる」という具体的な基準に変わっているはずです。
飼うと決めた場合も、飼わないと決めた場合も、子どもに胸を張って理由を説明できるようになります。
犬と猫、実際いくらかかる?費用の全体像を表でチェック
まず、多くの方が知りたい「結局いくらかかるのか」を数字で見てみましょう。ペット保険大手アニコム損保の調査によると、2025年にペットにかけた年間支出は犬が約41万円、猫が約19万円でした。
これに加えて、迎える時の初期費用と、生涯(平均寿命まで)にかかる総額を表にまとめました。
| 項目 | 犬(小〜中型) | 猫 |
|---|---|---|
| 初期費用(グッズ一式) | 約3万〜5万円 | 約3万円 |
| 年間費用(食費・医療・日用品) | 約41万円 | 約19万円 |
| 生涯費用(平均寿命まで) | 約300万〜500万円 | 約150万〜250万円 |
出典:アニコム損害保険株式会社「2025年 ペットにかける年間支出調査」をもとに筆者作成
生涯で見ると、犬は車1台分に近い金額になることもあるというのが正直な実感です。
ただし、これはあくまで平均値。工夫次第で抑えられる部分も多くあります。
家計全体の見直しという意味では、以前ご紹介したスーパーでの買い物節約術のような日々の積み重ねも、ペット費用を捻出する土台になります。
「ペット保険」ってどういう仕組み?お小遣い感覚でわかる例え話
費用の話をすると必ず出てくるのが「ペット保険」です。
名前は知っていても、仕組みがわかりにくいという方も多いのではないでしょうか。
ペット保険は、たとえるなら「クラスのみんなでお小遣いを少しずつ出し合って、誰かが大きな買い物で困ったときに助け合う」仕組みです。
毎月数千円の「会費(保険料)」を払っておくことで、病気やケガで高額な治療費がかかったときに、その一部(多くは50〜70%程度)を負担してもらえます。
ただし、加入前からある持病や、一部の病気は対象外になることが多く、「入っていれば全部安心」というわけではない点は正直にお伝えしておきます。保険に頼るか、毎月コツコツ「ペット貯金」をしておくか、我が家のようにその両方を少しずつ組み合わせるか。ここは各家庭の考え方次第です。
後悔しない4ステップ|わが家が飼うと決める前にやったこと
実際に我が家では、子どもから「犬を飼いたい」と言われたとき、その場で即答せず、次の4つのステップを踏みました。
①家計の5〜10%チェック
毎月の手取りの5〜10%を「ペット費用」として無理なく確保できるかを、家計簿アプリで確認しました。この時間の使い方は、以前書いた家庭内起業ごっこで子どもと一緒に「家のお金の流れ」を可視化したときの経験がとても役立ちました。
②お試し体験
ペットショップの「ふれあいコーナー」や知人の家での預かり体験を通じて、子どもが実際の世話(エサやり・片付け)まで想像できているかを確認しました。「かわいい」だけで終わっていないかを見極める大切な時間です。
③保険・貯金プラン決定
前述の保険の仕組みを子どもにも簡単に説明しながら、毎月の「ペット貯金」額を家族会議で決めました。
④子どもと役割分担
エサやりや散歩の一部を子どもの担当にし、月々のおやつ代の一部を子どものお小遣いから出す約束にしました。
これは、以前学校では教えてくれないお金の話でも触れた「自分ごと化」の実践編でもあります。
お金の話をきちんと通したことで、子どもは「命を預かる責任」を、私たち親以上に真剣に受け止めてくれました。
これは、費用の話を避けていたら得られなかった気づきだと感じています。
なぜこの準備が効果的なのか?データが示す「想定外」の実態
「そこまで慎重にならなくても」と思う方もいるかもしれません。
しかし、金融教育サービスを手がけるある会社の2025年調査では、ペットを飼っている家庭の約4割が「飼育費が想定を上回った」と回答しています。
さらに意外なデータとして、アニコム損保の調査では、猫の年間治療費が前年比145.2%と、わずか1年で約1.5倍に増加しています。
「猫はお金がかからない」というイメージを持っていた方ほど、この数字には驚かれるのではないでしょうか。
「なんとなく大丈夫だろう」という感覚だけで飼い始めると、約4割の家庭が直面した「想定外」に、自分たちも当てはまる可能性がある。
だからこそ、事前に数字で確認しておく4ステップには意味があるのです。
正直に言うと…知っておきたいデメリットと注意点
ここまで準備の大切さをお伝えしてきましたが、公平のためにデメリットも書いておきます。
まず、ペット保険に入っても支出がゼロになるわけではありません。自己負担分は残りますし、加入年齢が上がるほど保険料も高くなる傾向があります。
また、賃貸住宅の場合はペット可物件への引っ越しや、退去時の原状回復費用が余分にかかることもあります。
何より、15年前後という長い年月、家族の生活スタイルを変えてでも世話を続ける覚悟が求められます。
結婚や転勤、介護など、ライフイベントが重なっても飼い続けられるかは、事前に家族でよく話し合っておくべき点です。
今日からできる3つのアクション
✅ 家計簿アプリや通帳を開き、「手取りの5〜10%」が何円になるか、今日中に計算してみる
✅ ペットショップやカフェで「お試しふれあい体験」の予定を1つ入れてみる
✅ 家族会議の日程を決めて、「保険にするか貯金にするか」「誰が何を担当するか」を紙に書き出してみる
まとめ
子どもに「犬を飼いたい」と言われたとき、即答できなくても大丈夫です。
大切なのは、感情だけでなく数字でも家族の判断材料をそろえること。
犬なら生涯300万〜500万円、猫なら150万〜250万円という目安を知り、家計の5〜10%チェックとお試し体験を経てから決めても、子どもの気持ちを否定することにはなりません。
むしろ、お金の話を一緒に考えるプロセスそのものが、子どもにとって何よりの金融教育になります。
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