まだ若いから遺言書(ゆいごんしょ)なんてまだ早いよ~
うちには遺産もないから遺言なんかしなくても大丈夫!
うちは、仲が良いから遺言なんかなくてもトラブルにならないよ
遺言書って面倒くさくて難しそう。作ったら変更できないんでしょ?
そんな考えをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
「日本財団「遺言・遺贈 に関する意識・実態把握調査」/2021年」によると
60歳~79歳で遺言書をすでに作成している人は、わずか3.4%!
近いうちに作成するつもりがある人でも13.9%で低調です。
また、実際に遺言がないために遺産を分割する際に親族関係でトラブルになることもあり、裁判所での遺産に関するトラブルの件数は1万件を超えています(司法統計)。
一方で、遺言書は、最後の自分の意志を法律的に形にする手段です。
トラブルの回避だけではなく、遺言書を作ることは私たち自身の心の整理と、家族への思いやりを表現する手段としても非常に重要です。
いわば「最後の手紙」
筆者もFP資格と簿記の資格を取得したことを契機に数年前に遺言書を作成しました。
そこで、今回の記事では、実際遺言を作成した筆者が、遺言書を作成する心理的なメリットと遺言書の形式や費用、作成手順・安心できる保管場所などをご紹介します。
ご自身の大切な想いや資産を継承するために是非参考にしてください。
遺言書を作成するメリット
遺言書の内容は自由です。
特にお金のことだけしか書いてはいけないということはありません。
多くの人は、家族などに感謝を述べたり、資産に関する相続に関して記載しています。
つまり、遺言書を作成する過程は、自分の気持ちや資産をまとめる作業です。
いずれ訪れる死という未来に対する不安を減らし、家族への責任を果たしたという安心感を得ることができます。
また、それだけではなく、遺言書を作成する過程で「生きている間にできること」も見つかり、今の生活も充実させることができます。
遺言書の形式・遺言書の作成のための費用
遺言書には主に自筆遺言と公正証書遺言の二つの形式があります。
自筆遺言は、いわゆる自作です。
公正証書遺言は、公証人役場で公証人が作成します。
自筆遺言は手軽に作成できますが、有効とするためにはいくつかの条件があり、条件を満たしていないと法律的な効果が発生しません。
具体的な条件としては、遺言者本人が、遺言書の本文の全てを自書し、署名し押印することや財産目録を作成するときには各ページに自書による署名と押印が必要であったり、訂正の方法が定められていたりします。
さらに家庭裁判所で「検認」という手続きを経なければなりません(後述する自筆証書遺言保管制度を利用した場合を除く)。
一方で、公正証書遺言を作成する人は、全国にある公証人役場に行って有料で公証人に作成してもらう必要があります。
費用については、以下の公証人役場のホームページで確認してください。
公正証書遺言は有料ですが、自筆遺言のような形式面は(公証人がチェックしてくれるので)注意する必要はなく、作成時点で法的な強さ(判決と同じような効力)を持ち、誤解や偽造を防ぐ効果があります。
遺言書作成の手順と感情の整理
遺言書の形式が決まったら、いよいよ内容です。
遺言書を作成する過程で一番大切なことは、【自分の人生を振り返り、大切な人々への想いを整理する】ことです。
たしかに、遺言書には、財産の分配に関する明確な指示を記載することが重要です。
しかし、同時に、家族や愛する人への感謝の言葉や願いを伝えることで、心のこもったメッセージを残すことができます。
そのため、具体的には以下のステップで作成することが望ましいです。
- 自分自身の人生をゆっくりと振り返る
- お世話になった人への感謝を言語化する
- そのほかに遺したい想いなどを言語化する
- 財産の品目を把握する(例:預貯金、不動産、株式など)
- 誰にどう分配するのかを言語化する
- 遺言書の条件を確認して遺言書を作成する
遺言書の保管(遺言書の変更はいつでも可能)
せっかく作成した遺言書も亡くなった後、発見されなければ、意味がありません。
そこで、遺言書は安全かつアクセス可能な場所に保管する必要があります。
自筆遺言の場合には、遺言書が有効な形式を備えているか確認してくれるとともに、法務局で保管してくれる制度があり、この制度を利用した場合には家庭裁判所での検認は不要(自筆証書遺言保管制度)です。
もちろんこの制度を利用せず、自宅で保管することも可能です。
公正証書遺言の場合には公証人役場が保管してくれます。
このように役所が保管してくれていると失くしてしまったり、勝手に書き換えられてしまったりすることがないので、安心です。
そして、もちろん遺言書はいつでも変更可能です。
また、人生の変化に合わせて内容を見直し、常に現状に合ったものであることを確認することが大切です。
まとめ
遺言書を作成することは、自分自身と遺族に対する最大の贈り物です。
遺言書を作成するより、自分の人生を振り返ることができ、財産の整理もできます。
また、残された者に対してあなたの明確な考えを伝えることになります。
「死人に口なし」となる前にあなたが、世の中で生きた証を残すため、遺言書の作成をおすすめします!
自筆遺言をご検討の方は、キットも販売されているようですので、興味のある方は、こちらもどうぞ
おまけ
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