夜中の授乳を終えて、ようやく赤ちゃんが寝ついた午前2時。
スマホで仕事のメールを確認しながら、「育休手当もないのに、国民年金の保険料だけは毎月しっかり引き落とされるんだよな…」とため息をついたことはありませんか。
自営業やフリーランスの家庭にとって、出産・育児の時期は「収入が減るのに固定費は減らない」つらい時期です。会社員には育休中の社会保険料免除がありますが、国民年金の加入者にはこれまで産前産後の4か月しか免除がありませんでした。
その状況が、2026年10月から始まる「国民年金保険料の育児免除制度」で大きく変わります。
この記事では、FPの視点から制度の中身と、浮いたお金の賢い使い方までわかりやすく解説します。
問題の本質:「知らない人から損をする」制度設計
今回の育児免除は、子を養育する国民年金第1号被保険者(自営業・フリーランス・農業・学生・無職の方など)の保険料を、子が1歳になるまで免除する制度です。
所得制限はなく、免除期間は「保険料を納めたもの」として将来の老齢基礎年金に反映されます(日本年金機構)。
ただし、原則として自分で届出をしなければ免除は始まりません。制度があっても、申請しなければ1円も得をしない。ここが一番の落とし穴です。
見落としやすい3つの原因
原因1:「会社員の制度」だと思い込んでいる
「育休=会社員のもの」というイメージが強く、自営業の方ほど自分が対象だと気づきにくい傾向があります。
原因2:父親も対象になることを知らない
産前産後免除は出産した母親だけが対象でしたが、育児免除は第1号被保険者であれば夫婦ともに対象です。夫婦でフリーランスの家庭なら、ダブルで免除を受けられます。
原因3:対象外のケースと混同している
一方で、会社員の配偶者に扶養されている第3号被保険者は対象外です。「誰が対象か」があいまいなまま、結局何もしないケースが少なくありません。
解決方法:まずは「わが家が対象か」を表で確認
| 対象者 | 免除期間 | 免除額の目安 |
|---|---|---|
| 実母(産前産後免除あり) | 産前産後免除に続く9か月 | 約16.1万円 |
| 実父・養父母 | 子が1歳になる前月まで最大12か月 | 約21.5万円 |
| 夫婦とも第1号被保険者 | 合計最大21か月 | 約37.6万円 |
| 会社員・公務員(第2号) | 対象外(厚生年金の育休免除あり) | - |
| 第3号被保険者 | 対象外 | - |
出典:国民年金保険料の育児免除制度(日本年金機構)、国民年金保険料 令和8年度月額17,920円(日本年金機構)をもとに筆者試算。2027年度以降の保険料額は変わる可能性があります。
なお、2026年10月より前に生まれ、10月時点で1歳未満のお子さんがいる場合も、10月以降の月分が免除の対象になります。「うちはもう生まれているから関係ない」と決めつけないでください。
今日からできる具体アクション
①夫婦それぞれの年金の種別(第1号か)を確認
⬇
②10月1日以降、マイナポータルか市区町村窓口で届出
⬇
③浮いた保険料の金額を家計簿に「育児免除枠」として記録
⬇
④その分を生活防衛資金や教育資金の積立に回す
ポイントは④です。免除で浮いたお金は、気づけば日々の生活費に溶けてしまいがち。
筆者自身もウェブライターとして個人で仕事を受ける立場なので、収入が不安定な時期の怖さはよくわかります。
我が家では、臨時に浮いたお金は「なかったもの」として生活防衛資金に入れ、余裕が出たらインデックス投資の積立へ回すルールにしています。3人の子育てを通して、「出ていかなかったお金」こそ意識して守ることが大切だと実感しています。
よくある質問(Q&A)
Q1. 免除を受けると将来の年金は減りますか?
A. 育児免除の期間は、保険料を納付したものとして老齢基礎年金の額に反映されます。そのため、通常の申請免除のように年金額が減ることはありません。安心して利用できる制度です。
Q2. すでに保険料を前納してしまった場合はどうなりますか?
A. 納付済みの期間も、届出をすれば育児免除期間として扱われ、保険料は充当または還付されます。口座振替などで前納している方は振替方法が変わる場合があるため、年金事務所に確認すると安心です。
Q3. 付加年金は続けられますか?
A. 育児免除期間中も付加保険料(月額400円)は納付できます。将来の年金を少しでも増やしたい方は、iDeCoとあわせて検討してみてください。
まとめ
2026年10月に始まる国民年金の育児免除は、自営業・フリーランスの子育て家庭にとって大きな追い風です。
所得制限なし、年金も減らない、父親も対象。あとは「届出をするかどうか」だけです。
浮いたお金の使い道まで決めておくと、制度の効果を最大限に活かせます。家計全体の見直しには新NISAとiDeCoの比較記事もあわせてどうぞ。
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