「七五三の前撮り、10月までに予約すると割引です」
――保育園のお迎えの帰り道、スマホに届いた写真館の案内メールを開いて、プランの金額を見て思わず固まったことはありませんか?
撮影料は安く見えるのに、アルバムやデータを足していくと、いつの間にか5万円、6万円……。
そこに着物、お参り、食事会まで乗ってくると、「え、七五三ってこんなにかかるの?」と不安になりますよね。
この記事では、ファイナンシャルプランナー(FP)で3人の子どもを育ててきた筆者が、七五三の費用を抑えるコツを、実際の調査データと我が家の経験をもとにやさしく解説します。
七五三の費用が「思ったより高くなる」3つの原因
結論から言うと、七五三の費用が膨らむのは「金額が一度に見えないお祝い」だからです。
家族からも「一生に一度だから」と言われ、つい財布のひもがゆるみます。でも本当の原因は、もう少し根っこにあります。
原因①:費用が5つに分かれていて、合計が見えない
七五三のお金は「写真」「衣装」「着付け・ヘアメイク」「お参り(初穂料)」「食事会」と、支払い先がバラバラです。
1つ1つは「2万円くらいなら…」と思えても、足し算すると大きな金額になります。コンビニで少しずつ買い物をして、月末に明細を見て驚くのと同じですね。
原因②:写真館の「あとから追加」の仕組み
多くの写真館は「撮影料は無料〜数千円」で入口を安くし、アルバムや写真データで利益を出す仕組みです。
撮影当日、かわいく撮れた何十枚もの写真を見せられると、「全部ほしい」となるのが親心。予算は「撮影前」に決めないと、ほぼ必ずオーバーします。
原因③:「ちゃんとしなきゃ」という見えないプレッシャー
SNSで見る豪華な七五三、祖父母の期待、ママ友の話……。本当は「子どもが笑顔ならそれでいい」と思っているのに、「うちだけ手抜きと思われたくない」という気持ちが出費を押し上げます。
実はこれが、読者の方が一番言葉にしにくい悩みではないでしょうか。
この記事を読むとわかること
✅ 七五三の費用の「相場」と「内訳」がひと目でわかる
✅ 満足度を下げずに費用を抑える5つのコツがわかる
✅ 家族で揉めない「予算の決め方」と「誰が払う?」問題の答えがわかる
読み終わるころには、「うちはこれでいい」と自信をもって七五三の準備を始められるはずです。
七五三の費用を抑える5つのコツ
結論は、「お金をかける場所を1つに決めて、ほかは思い切ってシンプルにする」ことです。
まずは、一般的な相場と「抑えた場合」の目安を表で比べてみましょう。
| 項目 | 一般的な目安 | 抑えた場合の目安 | 抑え方 |
|---|---|---|---|
| 写真撮影 | 2万〜10万円 | 1万〜2万円 | 早撮り・データのみプラン |
| 衣装(着物) | 1万〜3万円 | 0〜1万円 | 写真館の無料レンタル・お下がり |
| 着付け・ヘア | 5千〜2万円 | 0〜5千円 | 撮影プランのセット・簡単ヘア |
| 初穂料(ご祈祷) | 5千〜1万円 | 0〜5千円 | ご祈祷なしのお参りも選択肢 |
| 食事会 | 2万〜7万円 | 5千〜1万円 | 自宅でお祝い・ランチにする |
※金額は写真館や神社の公開情報、各種調査をもとにした目安です。地域や人数によって変わります。
コツ①:「一番大事なもの」を家族で1つだけ決める
写真なのか、お参りなのか、祖父母との食事会なのか。全部を100点にしようとするから高くなるのです。
我が家は「写真はデータがあれば十分、そのかわり祖父母と食事をする時間を大事にしたい」と決めました。優先順位が決まると、ほかの部分は迷わず削れます。
コツ②:写真は「早撮り」+「データのみプラン」
多くの写真館では、春〜夏の「早撮り(前撮り)」に割引キャンペーンがあります。秋の本番シーズンは料金も予約の混み具合もピークです。
また、アルバムは割高になりがち。データだけ買って、ネットの格安フォトブックを自分で作ると、費用はぐっと下がります。
コツ③:衣装は「撮影で豪華に、お参りはシンプルに」
写真館の撮影プランには、着物のレンタルや着付けがセットになっていることが多いです。撮影で着物を着たなら、お参り当日は手持ちのワンピースやスーツでもまったく問題ありません。
親戚のお下がりや、フリマアプリで状態の良い着物を探すのも一つの方法です。
コツ④:お参りは「平日」や「時期ずらし」で
11月15日前後の土日は、神社も写真館も大混雑。10月や11月下旬の平日にずらすと、待ち時間も少なく、子どもの機嫌も保ちやすくなります。
ご祈祷(神主さんにお祓いをしてもらうこと)は必須ではありません。家族でお参りするだけでも、立派な七五三です。
コツ⑤:食事会は「外食」より「おうちでごちそう」
料亭やホテルの個室は、大人1人5,000円〜1万円ほどかかることも。祖父母を含めて6人なら、それだけで数万円です。
自宅でお寿司やケーキを用意するだけでも、子どもにとっては十分特別な日。小さな子どもは、慣れた家のほうがずっとリラックスして楽しめます。
準備の流れはこの3ステップ
「一番大事なもの」を決める
早撮り・平日で予約
シンプルに当日を楽しむ
なぜこの方法で七五三の費用を抑えられるのか(データで解説)
結論は、「多くの家庭が、実はすでに節約しながら七五三をしている」からです。
写真スタジオ「スタジオキャラット」の利用者アンケート(2022年11月調べ)では、七五三の平均総額は72,342円。5万円以上かかった人が68%以上という結果でした。一方で、予算をオーバーした人は26%いたそうです。
ところが、株式会社うるるの出張撮影サービス「OurPhoto」が行った「七五三 最新実態調査 2024」では、七五三の実施費用で最も多かったのは「1万円〜4万円未満」(37.6%)。前年より5.1ポイント増えていて、節約する家庭が増えていることがわかります。
つまり、「七五三=7万円以上が当たり前」ではありません。3万円台で七五三をしている家庭は、今やいちばん多いグループなのです。
我が家も、3人の子の七五三のうち、一番シンプルにした回は「写真データ+自宅でお祝い」で3万円台でした。それでも、今見返して一番よく笑っている写真は、その年の写真だったりします。
費用を抑えられる理由は、次の3つです。
- 写真館は「オフシーズンに予約を埋めたい」ので、早撮りに割引を出す
- アルバムや衣装の「オプション」を外すだけで、数万円単位で下がる
- 食事会を自宅にすれば、人数が多いほど差が大きくなる
費用を抑えるときのデメリット・注意点
節約にはメリットだけでなく、気をつけたい点もあります。正直にお伝えします。
- 早撮りは子どもの成長とズレる:春に撮ると、秋のお参り時とは髪型や顔つきが変わることも。
- データのみは「形に残らない」リスク:スマホに入れたままで、結局プリントしない家庭も多いです。購入後1か月以内にフォトブックを作ると決めておきましょう。
- 祖父母の気持ちへの配慮:「着物姿でお参りしてほしい」と願う祖父母もいます。削る前にひと声かけるだけで、トラブルを防げます。
- 割引プランは条件付き:「平日限定」「衣装は指定の中から」など条件があるので、予約前に必ず確認を。
節約の目的は「ケチること」ではなく、「大事なところにお金を集めること」です。
今日からできる3つのアクション
✅ 今夜、パートナーと「七五三で一番大事にしたいこと」を1つだけ話し合う
✅ 予算の上限を「総額◯万円」と数字で決め、スマホのメモに書いておく
✅ 近くの写真館2〜3社の「早撮り・平日プラン」と「データ料金」を比べてみる
行事のお金は、毎年どこかで必ずやってきます。ふだんからの家計の余力づくりは、物価高に負けない節約術5選や、スーパーの買い物節約術も参考にしてみてください。
よくある質問(Q&A)
Q. 七五三の費用は、親と祖父母のどちらが払うもの?
A. 決まりはなく、基本は親が払う家庭が多いです。ただ、祖父母が撮影代や着物代を出してくれたり、1万〜3万円ほどのお祝い金をくれたりすることもよくあります。あとで気まずくならないよう、予約前に「どこまでお願いするか」を話しておくと安心です。
Q. 初穂料(ご祈祷の料金)の相場はいくら?
A. 5,000円〜1万円ほどの神社が多いです。神社のホームページに金額が書かれていることも多いので、事前に確認しましょう。ご祈祷をせず、お参りだけにしても問題ありません。
Q. 七五三の前撮りはいつがお得?
A. 多くの写真館では、春〜夏(おおむね4〜8月ごろ)の早撮りに割引があります。秋の繁忙期を避けた平日なら、さらに安くなるプランも。成長による見た目の変化が気になる場合は、9月ごろの撮影が折り合いをつけやすいです。
Q. 七五三をしない・簡単に済ませるのはアリ?
A. もちろんアリです。七五三は子どもの成長を祝う行事なので、形式に正解はありません。家族で近くの神社にお参りし、自宅でケーキを食べるだけでも、子どもにとっては大切な思い出になります。
Q. きょうだいの七五三を一緒にやると安くなる?
A. 写真館の「きょうだい割」や、お参り・食事会を1回にまとめられるので、別々に行うより安くなることが多いです。年齢の数え方(満年齢か数え年か)で調整できる場合もあるので、家族の都合に合わせて考えてみてください。
まとめ:七五三は「全部」より「一番大事なもの」にお金を
七五三の費用は平均7万円台という調査がある一方で、いま一番多いのは「1万〜4万円未満」で行う家庭です。
- 費用が膨らむ原因は「合計が見えない」「写真の追加」「見えないプレッシャー」
- 早撮り・データのみ・衣装のセット・平日参り・おうち食事会で、満足度を保ったまま抑えられる
- 節約は「大事なところにお金を集める」ための手段
子どもが覚えているのは、写真の枚数ではなく、家族が笑っていたその日の空気です。ぜひ、あなたの家族らしい七五三を楽しんでくださいね。
子どもの行事のお祝い相場は、桃の節句と端午の節句のお祝い相場の記事でもまとめています。いただいたお祝い金の使い道に迷ったら、児童手当の使い道の考え方も参考になります。


コメント