円安が急速に進行している!「為替介入」があるのでは?
政府は、「為替介入」があったかは明言していません!
こんなことを聞かれたことがある人も多いのではないでしょうか。
「為替介入」とは、国が、為替相場に影響を与えるために、外国の通貨と日本円の売買を行うことです。
日本でも、過去に円安や円高を調整のために実施されてきました。
我が家では、S&P500や米国高配当株など為替の影響を受ける投資をしているところであり、為替については、他人事ではありません。
また、海外投資をしていない人にとっても、日々の生活の大部分は、輸入に頼っているので、日本で生活する人でも大いに関係があります。
そこで、今回の記事では、以下のことをご紹介します。
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為替介入の意味・目的
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為替介入の手順
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為替介入のデメリット
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過去に為替介入されたタイミング
為替について詳しくお知りになりたい方は、以下の記事もどうぞ。
それでは、ご紹介します。
「為替介入」とは?
「為替介入」とは、政府・日銀が、為替相場に影響を与えるために、外国為替市場で通貨間の売買を行うことです。
本来、為替は需給の市場バランスで決まりますが、国がバランスを整えようとするので「介入」という表現が使われています(なお、正確には「外国為替平衡操作」といます。)。
「為替介入」は何のために行う?
為替は、いろんな場面で影響しています。
例えば、過度な円安のときは、一般的に輸入品価格が上昇し、商品の値段が上がりやすく、家計にダメージを与えることがあります。
また、逆に過度な円高のときは、輸出に影響が出ます。
市場経済は自由なので、基本的に政府が関与するのは、本来筋違いですが、あまりにも極端な円安や円高になると、国民の生活や国際的な取引に影響が出ます。
そこで、この影響を適切なものにすることが「為替介入」の目的です。
「為替介入」の手順は?
為替介入は、財務大臣の権限で、日本銀行が介入を実施します。
あまり知られていませんが、具体的な手順は、以下のとおりです。
- (日銀⇒財務省)為替市場に関する情報を報告(毎日)
- (財務大臣)報告に基づいて為替介入を必要と判断
- (日銀⇒財務省)為替相場の変動要因や、介入決定の判断に資するような情報を報告
- (財務省⇒日銀)為替介入実行の具体的指示
- (日銀)為替介入実施
「為替介入」のデメリットとは?
「為替介入」は、本来自由な通貨のやりとりについて、政府が介入するので、デメリットも存在します。
為替介入のデメリットは、主に以下のとおりです。このため、効果が限定的になったり、あまり効果がなかったりすることもあります。
2.多額の資金が必要になる
3.繰り返し行うのが難しい
デメリットその1 外国への配慮が必要
為替とは、一言でいうと「外国の通貨と日本の通貨の交換レート」です。
「為替介入」は、レートに影響を及ぼす行為です。
諸外国にとってみれば、国民の生活や国際的な取引に影響が出るかもしれません。
そのため、諸外国に配慮しなければなりません。
このような配慮に欠けた為替介入をしてしまうと状況によって、諸外国から批判されたり対抗措置を執られたりすることも。
過去には、日本が為替介入をした際に、アメリカの財務省は、日本に対して報告書内でけん制したことがあります。。
デメリットその2 多額の資金が必要になる
通貨間の売買により為替介入するため、円やドルなどの十分な資金がなければ対応ができません。
例えば、急激な円安に対応する場合は、国が保有するドル資金を売却して円を買い入れます。
一方、急激な円高に対しては、大量の円でドルを買い入れます。
いずれにしても多額の資金が必要となります。
デメリットその3 繰り返し行うのが難しい
「為替介入」は以上の理由から、繰り返し実施することは難しいです。
そのため効果が、一時的・限定的になってしまうことがあります。
また、世界にはいろんな国のいろんな通貨があります。
日本だけ単独で為替介入しても効果が長続きないことがあります。
諸外国との連携が必要になるので、「何回も」というのは難しいようです。
いつ「為替介入」があった?「為替介入」の結果はどうなった?
過去にどのような場面で「為替介入」があったのでしょうか。そして、結果は?
ここからは過去の「為替介入」の場面についてご紹介します。
財務省のHPから、過去の為替介入を調べられることができます。
1998年4月
大手の証券会社や金融機関の経営破綻が続き、金融危機が発生。
その結果、円の信用が下がり、急激なドル高・円安が進みました。
そこで、円安阻止するために為替介入に踏み切りました。
財務省のデータによると、為替介入合計額は約2.8兆円。
しかし、介入前は、130円台でしたが、介入後は140円台になり、為替介入後も円安傾向が止まりませんでした。
2001年9月
2001年9月11日に発生した米国同時多発テロ事件以降、アメリカに対する不安が増大。
これによりドルが急速に売られて円高ドル安が進行しました。
各国が協調して為替介入を実施。
財務省のデータによると、為替介入合計額は約3.1兆円。
介入前は、1ドル110円台でしたが、為替介入の結果、年末には1ドル130円前後にまで円安になりました。
2003年5月~2004年3月
2003年3月に勃発したイラク戦争以降、急速に円高・ドル安が進行しました。
またまた、政府は為替介入に踏み切ります。
財務省のデータによると、2003年5月から2004年3月にかけて為替介入合計は、約32.8兆円。
しかし、目立った効果はありませんでした。
2011年3月~12月
2011年、東日本大震災が発生し、日本経済が不調であったにもかかわらず、円高が進んでいました。
2011年10月31日には、過去最高の円高(1ドル75円32銭)を記録。
そこで、政府と日銀は、介入を公表せずに、秘密裏に実施しました(覆面介入)。
財務省のデータでは、同年3月から12月までに合計約14兆円の介入を実施していたことが判明しています。
2022年9月
2022年は円安・ドル高が加速していたため、為替介入に踏み切りました。
政府・日銀が約2.8兆円の円買いの為替介入に踏み切りました。
しかし、10月には、1ドル150円台という歴史的な円安水準まで進行。
その後、同年10月21日・24日に為替介入を実施しました。
財務省のデータよると、介入実績合計額は約6.3兆円です。
為替介入の際の対策
このような為替介入が行われた場合どのようにしたらよいのでしょうか。
例えば、円安が急激に進行している場合に、為替介入により、円高が抑えられるのか、それとも効果が続かずより円安になるのかは分かりません。
つまり、為替は分かりません。
私たち個人投資家は、為替介入で急激な変動がある場合には、短期でリターンを得ようとするのではなく、積み立てなどでリスクを分散させつつ、長期の視点で投資をしていくことが重要だと思います。
また、外国株に投資をしていたり、外貨預金などに投資している方にとっては、含み益が減ったり、含み損が膨らんだりする場合があるかもしれません。
そのような方にとっては、現金化してこそ顕在化する問題となります。
こういった点からも資金に余裕があるのであれば、好条件となるまで現金化を控えることも選択肢のうちの1つです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、為替介入の目的や手順やデメリット、過去に為替介入があったとされるタイミングについて分かりやすくご紹介しました。
特に海外の金融商品に投資をしている方にとっては、為替リスクを負っています。
例えば、せっかく株価が1万円上昇したのに為替の変動を受けて上昇分が打ち消されたというようなことが起きます。
それだけではなく、為替は、我々の生活にも影響を及ぼす重要な事項です。
しかし為替の値動きは誰にも読めません。
個人投資家はできるだけ時間を分けて投資をしリスクを分散させておくのがいいかもしれませんね。
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