この記事を読めば、「円高」「円安」の意味が分かる!
先日、「円安ドル高が進んでいます」というニュースを見た子供たちが、為替(かわせ)に興味を持ちました。
「円安」や「円高」と言われても、混乱してしまい「あれ?どっちがどっちだったけ?」と迷うこともありました。
今回は、「円安」「円高」などの「為替(かわせ)」をお子さんにどうやって分かりやすく説明したらいいか、そして新しい決済方法についても、ご紹介します。
では、早速ご紹介します。
日本のお金の単位は?外国でそのまま使えるの?
日本では、1万円札から1円玉までいろんな種類のお金があります。みんな大事に貯めたり使ったりしています。
同じようにアメリカでは「ドル」、中国なら「元」と、イギリスは「ポンド」など、その国の中だけで使うことができる、その国のお金があります。
そのため、日本のお金(円)をいっぱい持ってアメリカに行っても、そのままではそのお金を使うことができません。
為替(かわせ)って何?
外国のお金を日本で使おうとすれば、外国のお金を日本の「円」と交換する必要があります。
そして、日本のお金を外国で使おうとすれば、日本の「円」を外国のお金と交換する必要があります。
円安(えんやす)・円高(えんだか)ってどういう状態?
最近のニュースではよく「円安(えんやす)」という言葉を聞きますが、これはどういう状態なんでしょうか。
「円が安い」と「えんやす」と呼んでいます。円が安くなることです。
さきほどの例でもあるように、日本で買い物をする人は、わざわざ円を交換する必要はありません。では、円に交換する必要がある人は誰でしょうか。
例えば、外国人が旅行に来て買い物をしたり、外国からインターネットを使って日本のお店から買い物をする時は、自分の国の「お金」(ドルなど)は日本では使えません。
こういった場合には、ドルで日本の円を買って交換することになります。
その時に、「円が安くなっている」ということは、同じ量のドルでたくさん円が買える(手に入れることができる)ということになります。
例えば、1ドルで100円を買えた日があって、次の日は1ドルで140円の円が買えたら、「あっ、円が安くなったな」と思います。
難しければ、キャベツや玉ねぎなどの野菜で考えてもらってもいいかもしれません。つまり、同じ金額で、たくさんの野菜を買うことができる状態になっているということです。
円の数字が大きくなっているので、混乱しがちですが、上記の説明だと分かりやすいですね。
ちなみに、お正月には、1ドルは116円くらいでしたが、現在は、140円くらいです。
つまりお正月には、1ドルで116円しか買えなかったのに、今は、1ドルで140円も買えるようになったということです。
どうして為替(かわせ)は毎日変動するの?
例えば、みんなが、ドルを欲しがっているときに両替をしよう(ドルを買おう)とすると、たくさんお金(円)を支払わないといけなくなります。
逆に、みんなが今はドルはあまり要らないと思っているときだと、少しのお金(円)で、ドルと交換することができます。
では、具体的にどういった事情で為替(かわせ)が変化するのか、一例をご紹介します。
輸入や輸出をする場合
具体的には、日本の会社がアメリカから製品を輸入する場合、代金をドルで支払うには、手持ちの円を、まずドルに替える必要があります。
そのため、日本のお金(円)でアメリカで通用するお金(ドル)を買うという取引をします。
この場合、輸入する会社がたくさんあった場合には、みんながドルを欲しがるので、ドルに交換するためのお金(円)はたくさん必要になります。
また、逆に日本の製品をアメリカに輸出した場合には、代金をドルでもらうことになります。
日本の会社は社員の人たちに給料を支払ったりするときには、日本で使えるお金(円)で支払いますので、ドルは必要ではなくなり、かわって円が必要になります。
この場合、輸出する会社がたくさんある場合には、ドルはいらなくなるので、もしこの場面でドルに交換したいなと思った人がいた場合には、お金(円)はどれほど多くは必要ありません。
投資をする場合
例えば、日本の投資家がアメリカの株式や米ドルで発行された債券(国債や社債など)に投資をする場合には、「円を売って米ドルを買う」必要があります。
そういう投資家が増えれば、ドルの需要が高まり、ドル高・円安の方向に向かうでしょう。
一方で、アメリカの投資家が日本の株式や債券に投資を行う場合には、逆の流れが起こることになります。
一般的に投資家が投資をするのは、景気がいい国なので、そんな国で使えるお金は高くなることがあるようです。
物価の変動(インフレやデフレ)
また、物価(物の値段)の変動も、為替相場に影響を与える要因の一つです。
物の値段が上がっていき、インフレになる(世の中に出回るお金の量が増える)ということは、同時に、その国でのお金の価値が下がるということでもあります。
逆に、物価が下がっていく、つまりデフレ(世の中に出回るお金の量が減る)になると、お金の価値は上がっていきます。
仮に、アメリカでインフレが続き、日本でデフレが続けば、ドルの価値はどんどん下がり、円の価値が上がり、為替はドル安・円高に向かう可能性が大きくなります。
戦争や紛争がある場合
また、例えば、こんなことでも為替は変化します。
戦争や紛争がある時などです。
戦争があると、場合によっては、国が潰れてしまうことがありますから、その国のお金を持っている人は、潰れそうにない国のお金を確保しておこうとします。
世界で戦争が起きると、ドルはアメリカという強大な国(潰れそうにない国)の通貨ですからニーズが高まります。そうするとドルの価値は高くなります。
経済指標などの発表による場合
また、アメリカの経済指標(例えば、景気の具合)は世界経済に与える影響が大きく、常に注目されています。特に、近年重視されている指標の一つにアメリカの「雇用統計」というものがあります。
雇用の状況が良ければ、失業率の低下や賃金の上昇を通して、アメリカ経済の拡大につながると予想されるため、統計の結果が予想を大きく上回ると、通常はドルが買われて円安になる傾向があります。
と、まあ、いろんな理由で為替は変動しているということがお分かりいただけたでしょうか。
為替(かわせ)は、この他にもいろんな要素で変動することになるので必ずこうなる!と予想するのは難しいと言われています。
為替の差を利用した金融商品(FX)
さて、このような「ドル高・円安」、「ドル安・円高」といった通貨の動きを利用すれば、利益を得ることもできます。
たとえば、円高のときにドルを買い、その後、ドル高・円安になったときに売るとその差額が利益になります。
この利益のことを「為替差益」といい、これに着目した金融商品として「FX」という商品があります。
ただし、ドルを買ったあとで、ドル安になってしまうと損失が出てしまいます。
為替(かわせ)はいろんな要素で決まり値動きも複雑なので、予想するのは難しいので、為替差損が発生するリスクが高い金融商品といえます。(→この予想を簡単だと言っている詐欺商品などもたくさんありますのでご注意を)
為替(かわせ)に影響されない新しい決済のカタチ
こうした為替は、国の事情によって変化してしまいますし、国同士のやりとりで調整することもできてしまいます。
国同士のやりとりがある以上、個人や会社が外国と何かをするときには、常に為替(かわせ)を意識しないといけなくなります。
もし全世界が同じ通貨を使うことができれば、為替を気にすることなく、世界中の人がどこにいても自由にお金のやりとりができるようになります。
そこで、話題になっているのが、仮想通貨・暗号資産というものがあります。
国境のない通貨として注目されていて、例えば、日本で1ビットコインを持って、何かエジプトの人からモノを買う場合には、1ビットコインをエジプトの人に送金すれば足りて、為替を気にする必要がありません。
つまり、国の政策などに影響されないというメリットがあるとされています。
しかし、値段が安定しない、法規制がまだ確立していないなど、まだまだ詰めていかないといけない課題はたくさんありますし、何より自国の通貨をつかって景気対策などをしている国側から見たら自国の通貨を国民に使ってもらえないにもなりかねないので、慎重にしないといけないというのが多数派の意見のようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
為替や円高・円安というキーワードを見ると、なんだか混乱しそうですが、これから世界に羽ばたくお子さんには必須の知識ではないでしょうか。
是非、今回の記事を参考に親子で為替について学んでいただければ嬉しいです。
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今回は、以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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