こちらがみがまえるまえに「請求書」が現れた!
「借金の請求書」が現れた!こちらがみがまえるまえにおそってききた」
ドラクエをやったことのある人はお分かりですが、身構えるまえにモンスターが現れることはありますが、まさか親戚の死後、亡くなった親戚の借金の請求書が、目の前に現れるとは思いませんでした。
「何年も連絡とってなかったのになぜ?どうしたらいいの?」
親戚は個人事業主していましたが、残念ながら晩年は借り入れも多く、財産もそれほどなかったようです。
さあ、どうする?
今回の記事では、私たち家族が経験した実際の相続の体験談をもとに、相続人の範囲と相続における3つの選択肢「単純承認・相続放棄・限定承認」について、わかりやすくご紹介します。
この記事を読み終える頃には、「うちは大丈夫」と安心できる知識が身についているはずです。
誰が相続人になるの?|相続人の範囲
相続人は身分関係(戸籍などに記載)で決まるので、何年も連絡とっていなくても、仲が良くても悪くても、相続人の資格には影響がありません。
一般的な相続人になる人は以下のとおりです(法務局ホームページを一部改変)
相続って何をすること?|手続の基本と期限
「相続」と聞くと、多くの人は「お金を受け取ること」と思いがちですが、実はもっと広い意味があります。
相続とは、亡くなった方(被相続人)の財産や負債、権利や義務までも受け継ぐことを指します。
プラスの財産には、たとえば次のようなものがあります。
- 預貯金
- 株式や不動産
- 車や骨董品・・・
一方で、マイナスの財産(負債)には以下が含まれます。
- 借金やローン
- 税金の未納分
- 保証人としての責任・・・
そして、相続人は「相続に対するスタンス」を選択しなければなりません。
相続の3つの選択肢とは?
相続が発生した(自分が相続人になる可能性がある人が亡くなった)場合の選択肢は次の3つ。
なお、先の順位がいる場合には、その人の態度が決まってからあなたの順番となります。
単純承認とは|すべてを受け継ぐ一般的な選択
「単純承認」とは、プラスの財産もマイナスの負債もすべてそのまま引き継ぐ方法です。
これは最も一般的な選択肢で、「何もしなければ自動的に単純承認になる」という点が重要です。
ただ、もし借金がある場合には・・・(なぜか関西弁)
A:相続人 担:金融機関の担当者
担「〇〇さんの妹さんですな!相続人として支払ってもらいまっせ!」
A「姉の借金?しばらく連絡とっていなかったし、私には関係ないでしょ」
担「何をゆうてまんねん、あなたは相続人になっとるんですわ」
A「承諾してないし、何もしてません。どうして支払う必要があるの!」
担「亡くなっているのを知ってるのに何もせんかったから、全部相続したんですわ、はよ払って」
A「そんな・・・」
こんな感じになります。
実際に、手続きもしないまま、「単純承認」扱いになる方は多いようです。
そうならないためにも、次にご紹介する相続放棄や限定承認などをとるのかどうか、相続のスタンスをはっきりしておく必要があります。
\単純承認ポイント/
放置すると、借金まで引き継ぐリスクがあります!
相続放棄とは|すべてを“いらない”とする選択
「相続放棄」は、すべての遺産を受け取らない選択です。
これを選べば、借金も含めて相続とは一切無関係になります。
もし借金がある場合には・・・(なぜか関西弁)
(A:相続人 担:金融機関の担当者)
担「〇〇さんの妹さんですな!相続人として支払ってもらいまっせ!」
A「姉の借金?しばらく連絡とっていなかったし、私には関係ないでしょ」
担「何をゆうてまんねん、あなたは相続人になっとるんですわ」
(Aは「相続放棄を唱えた!」)
A「私は相続放棄をしましたよ!ほら、ここにその証拠(裁判所の通知)もありますよ。」
担「・・・」
こんな感じになります。
相続放棄の手続きは家庭裁判所で行うことになります。
また、相続開始(死亡)を知った日から3か月以内に申立てる必要があります(申立てまでが3か月以内)。
第1順位の人は、死亡を知った時、それ以降の人は、先の順位の人が相続放棄をするなど自分のことろに順番が回ってきた時から3か月以内ということになります。
1つでも財産を使う(例えば、不動産を売る、銀行預金を自分の口座に移すなど)と放棄できなくなるので要注意!
\相続放棄のポイント/
・家庭裁判所での手続が必要
・相続開始(死亡)を知った日から3か月以内
・相続財産を処分(使う)と相続放棄ができなくなる
限定承認とは|“プラスの範囲でマイナスを返す”選択
最後が「限定承認」これはあまり知られていない選択肢ですが、とても合理的な方法です。
簡単に言うと、受け継いだ財産の範囲でだけ借金を返す方法。
例えば、引き継いだ相続財産が100万円なら、100万円までしか借金の責任を負いません。
もし借金がある場合には・・・(なぜか関西弁)
(A:相続人 担:金融機関の担当者)
担「〇〇さんの妹さんですな!相続人として支払ってもらいまっせ!」
A「姉の借金?しばらく連絡とっていなかったし、私には関係ないでしょ」
担「何をゆうてまんねん、あなたは相続人になっとるんですわ」
(Aは「限定承認を唱えた!」)
A「私は限定承認をしましたよ!ほら、ここにその証拠(裁判所の通知)もありますよ。」
担「・・・他の相続人を探しますわ」
A「他の相続人も全員限定承認してますよ」
担「わかりました・・・」
こんな感じです。
限定承認は、相続人全員の合意が必要となり、相続開始(死亡)を知った日から3か月以内に家庭裁判所での手続が必要で、一般的には数か月単位で時間がかかります(申立てまでが3か月以内なので大丈夫)。
また、財産関係を調査しなければならず、相続放棄などに比べると手間がかかる傾向があります。
あまり知られていない手続きなので、専門家(弁護士・司法書士など)に相談をしている方も多いようです。
\限定承認のポイント/
・家庭裁判所での手続が必要
・相続開始(死亡)を知った日から3か月以内
・相続人全員の同意が必要
【体験談】我が家は「・・・」を唱えた!
我が家では、叔母が亡くなり、子どもたちがいました。
それなのに、なぜ私(姪)に請求書が来たのか。
それは子どもたちが相続放棄をしたからでした。
相続放棄をすると借金がなくなってしまうのではなくて、相続の選択権が次の順位に移ります。
そこで、叔母の親である第2順位が亡くなっているので、第3順位の妹である母(既に亡くなっている)の子どもの私に来たわけです。
そこで、我が家が唱えた呪文は…
「相続放棄」
「第1順位の子どもたちの相続放棄」を知ってから3か月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きをとり、無事相続放棄が完了しました。
そして請求書を送付してきた金融機関にその旨伝えると「分かりました!」と。
先方も慣れたものでした。
それ以上、請求はありませんでした。
まとめ|“知っていれば避けられる不安”ばかり
相続は、多くの人にとって突然訪れます。
そして、知らないことでトラブルや損失を招く可能性があるものです。
最後にポイントをおさらい
- 相続の選択肢は「単純承認」「相続放棄」「限定承認」の3つ
- 選ばないと「単純承認」になり、借金も引き継ぐ恐れあり
- 相続放棄・限定承認には期限と手続きがある
相続は「お金を守る話」です。
いざというとき、「なんの呪文を唱えるか」を考えておきましょう!
迷ったら専門家に相談をするのもいいかもしれませんね!
▼参考記事
遺言書作成のすすめ!|「遺言」のメリット・形式・費用・手順を一挙紹介!
【保存版】遺品整理で後悔しない!業者選び・費用・トラブル回避まで徹底解説
筆者からのお願い
ランキングに挑戦中です。今回の記事に共感していただけましたら、以下の部分をポチっとお願いします。筆者の励みになっています!
また、我が家では、子供へのお金の教育について実践した模様を電子書籍(kindle版)にして出版しました!ぜひご購入を検討ください。
我が家で行った家庭内起業の模様をまとめたものです。お子さんのマネーリテラシーを向上させたい方は必見です。
この記事がお役に立てると嬉しいです!最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント